薬剤師の副業・ダブルワークの実態|始め方と注意点

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薬剤師の副業・ダブルワークの実態|始め方と注意点

「本業の収入だけでは足りない」「スキルを活かして副収入を得たい」「週末に空いた時間を有効活用したい」——薬剤師の副業・ダブルワークへの関心は高まっています。

一方で、「職場に副業がバレて問題になった」「そもそも薬剤師は副業できるのか」という不安の声もあります。医師の立場から、薬剤師の副業の実態と正しい始め方を整理します。


薬剤師は副業できるのか

法律上の原則

日本の法律(労働基準法・労働契約法)は原則として副業を禁止していません。ただし多くの職場では就業規則に「副業・兼業の禁止または許可制」の条項が設けられています。

2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業推進の方向性が示されています。しかし職場の就業規則が副業を制限している場合は、就業規則に従うことが原則です。

公務員薬剤師は副業に特別な制限がある

公務員薬剤師(行政・保健所・国立病院など)は、国家公務員法・地方公務員法によって営利企業等の役員への就任・自営業の副業が制限されています。医療機関・薬局等での非常勤勤務は「任命権者の承認」を得ることが要件です。

公務員薬剤師が副業を検討する場合は、必ず所属機関の規則を確認し、許可を得た上で行うことが必要です。


薬剤師の主な副業の種類

非常勤・パート薬剤師(調剤・ドラッグストア)

最も多い副業形態です。週末や平日の休日に他の薬局・ドラッグストアで非常勤として勤務します。

特徴

  • 時給2,000〜3,000円台(地域・職場によって異なる)
  • 薬剤師の専門スキルを直接活かせる
  • 本業と同様の調剤業務を行うため、疲労の蓄積に注意が必要

医療の現場で関わる立場から一点補足すると、副業での疲労蓄積が本業の判断力・集中力に影響するリスクがあります。処方箋鑑査・疑義照会は集中力を要する業務です。副業の量を本業の質が落ちない範囲に留めることを原則にしてください。

訪問薬剤師(在宅医療)

在宅患者の自宅に訪問し、服薬管理・薬剤管理指導を行う非常勤の形態です。週に数回・数件から始められるため、副業に向いているとされています。

特徴

  • 調剤薬局に所属しつつ訪問部門に非常勤参加するケースが多い
  • 在宅医療の経験を積める(キャリアとの相乗効果がある)
  • 地域によって求人の有無が異なる

薬剤師向けの医療・薬学系ライター・監修業務

薬剤師の知識を活かし、医薬品・健康情報の記事執筆・監修を行う副業です。

特徴

  • 在宅・リモート対応が多く、時間の融通が利きやすい
  • 1記事あたり1万〜5万円程度の報酬が多い(案件・文字数による)
  • 薬機法・医療広告ガイドラインに基づいた正確な記述が求められる

薬学系セミナー・勉強会の講師

薬剤師向けの研修・勉強会での講師活動です。

特徴

  • 専門分野(漢方・がん領域・OTCなど)の知識を活かせる
  • 1回あたりの報酬は幅広く、依頼ベースで実施
  • SNSや専門コミュニティを通じた人脈が依頼の入口になることが多い

薬局・ドラッグストアの派遣・スポット勤務

派遣会社やスポット対応サービスを通じて、単発・短期で勤務する形態です。

特徴

  • 1日単位・週末のみなど柔軟な働き方が可能
  • 派遣会社(ファルマスタッフなど)を通じて手続きがシンプル
  • 交通費・時給計算が明確

副業を始める前の確認事項

ステップ1:就業規則を確認する

本業の職場の就業規則に「副業・兼業」に関する条項があるかを確認してください。「禁止」「許可制」「届出制」「特段の制限なし」によって対応が変わります。

ステップ2:必要な場合は許可・届出を行う

許可制・届出制の場合は、副業を開始する前に正規の手続きを踏んでください。「黙って始めて後からバレた」ケースは、就業規則違反として懲戒処分の対象になることがあります。

ステップ3:確定申告の準備

副業収入が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です(給与所得者の場合)。副業の収入・経費を記録しておく習慣をつけておくと申告時の手間が減ります。


注意点

本業への影響を最小化する

副業の最大のリスクは「本業の質の低下」です。薬剤師は処方箋鑑査・服薬指導において集中力と判断力が求められる職業です。睡眠不足・疲労の蓄積は、ミスのリスクを高めます。

副業の量は、本業での判断力・体調を維持できる範囲に留めることが原則です。収入増の目的が患者の安全を損なう結果になることは、薬剤師としての本来の目的と逆行します。

競業避止義務に注意

本業の職場と競合する副業(同じ地域の競合薬局など)は、就業規則の競業避止規定に抵触する可能性があります。副業の職場を選ぶ際は、本業の職場との関係を確認してください。


転職・副業の相談窓口として

副業の非常勤・パート勤務の求人探しには、薬剤師専門の転職・派遣サービスが便利です。

ファルマスタッフ(非常勤・派遣薬剤師の求人に強み):日本調剤グループのネットワークを活かし、スポット・非常勤薬剤師の求人情報を豊富に持ちます。

→ 全サービスの比較は「薬剤師転職サービス おすすめ比較ランキング」をご覧ください。


向いている人・向いていない人

副業が向いている人

  • 収入の柱を複数持つことで生活の安定を高めたい人
  • 週末・休日に時間がある人
  • 在宅ワーク(ライター・監修)を組み合わせたい人
  • 将来の独立・開業に向けて経験・人脈を積みたい人

副業に慎重になるべき人

  • 本業の業務量がすでに限界に近い人
  • 睡眠・休養の時間が不足しがちな人
  • 本業の職場が副業を明示的に禁止している人(規則を守ることが前提)
  • 疲労が蓄積しやすい体質で、集中力の低下が起きやすい人

よくある質問

Q. 副業で確定申告をしないとどうなりますか?
副業収入が年間20万円超の場合、確定申告をしないことは脱税となります。税務調査の対象になることや、延滞税・加算税が課されるリスクがあります。副業を始めたら収入管理と申告の準備を進めてください。

Q. 副業が本業の職場にバレる主な原因は何ですか?
最も多いのは「住民税の変動」です。副業収入があると、翌年の住民税額が変わります。本業の職場が給与から特別徴収で天引きしている場合、税額の変化から副業の存在が把握されるケースがあります。対策として、副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に切り替えることが有効な場合があります(確定申告時に選択可)。

Q. 薬剤師の非常勤・スポット勤務の相場はどのくらいですか?
地域・職場・勤務内容によって異なりますが、時給2,000〜3,500円程度が一般的な目安とされています。最新の相場は転職・派遣サービスの担当者にご確認ください。


まとめ

  1. 副業は法律上原則禁止ではないが、職場の就業規則の確認が最初のステップ。 許可・届出が必要な場合は手続きを踏む。
  2. 薬剤師の副業は「非常勤調剤・訪問薬剤師・ライター監修・スポット勤務」が主流。 スキルを活かせる形態を自分の生活スタイルに合わせて選ぶ。
  3. 副業の最大リスクは本業の質の低下。 睡眠・体調を維持できる量に留めることが患者安全の観点からも重要。
  4. 副業収入が年20万円超は確定申告が必要。 収入・経費の記録を始めから習慣化する。
  5. 公務員薬剤師は特別な制限がある。 任命権者の承認を得ることが要件です。

監修: 現役医師(放射線治療科・クリニック開業準備中)
病院勤務の経験を持つ医師。医療現場での薬剤師との協働経験をもとに、本記事を作成。本記事の情報は2026年7月時点のものです。

本記事の情報は2026年7月時点のものです。税制・法令・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は所管機関・公式サイトでご確認ください。

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